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編み物の水通しのやり方|ブロッキング・アイロンとの違いと素材別の判断
編み物の水通しは必要?ブロッキング・スチームとの違い、ウール・コットン・アクリルの取り扱い表示を確認するポイントを解説。水切りから平干しまでの手順と、お湯やアイロンを使う前の判断がわかります。
目次
編み物の水通しは、水を含ませた編み地の形を整え、乾かす仕上げです。基本の流れは「乾いた寸法を測る→指定の方法で湿らせる→ねじらず水気を取る→形を整えて平干し→乾燥後に測る」です。 すべての作品に必要ではないため、先に糸ラベル・メーカーの取り扱いと作品レシピを確認します。
水通しができる糸でも、長くつけ置きしてよいとは限りません。また、水洗いできることとアイロンを使えることは別です。まず方法の違いを整理し、自分の糸で使える工程を選びましょう。
水通し・ブロッキング・アイロンの違い
「ブロッキング」は、編み地の形や寸法を整える仕上げの総称です。水通しはその方法の一つで、スチームなどを使う方法もあります。かぎ針編みか棒針編みかだけで決まるものではなく、糸・編み方・作品の指定で選びます。DMCのブロッキング解説でも、水を含ませる方法やスプレー、スチームを分けて紹介しています。
| 方法 | 何をするか | 選ぶ前に確認すること |
|---|---|---|
| 水通し | 編み地に水を含ませ、余分な水を取り、形を整えて乾かす | 水洗い・つけ置きの可否、指定水温、乾燥方法 |
| スプレーで湿らせる | 霧吹きなどで水分を与えて形を整える | 水を使えるか、その作品で指定された方法か。水洗い不可の代わりにはしない |
| スチームで整える | アイロンなどの蒸気を使う | 熱・蒸気の可否、温度、当て布や接触の指定、模様への影響 |
「アイロン仕上げ」と書かれていても、編み地をアイロン面で押しつぶす操作とは限りません。 スチームが指定されている場合の確認点は、この後に説明します。水通しの後に必ずアイロンもかける、と工程を追加する必要はありません。
水通しをしてよいか、先に確認する
| 糸・作品の状態 | 進め方 |
|---|---|
| 使用糸の取り扱いとレシピの両方で水を使う仕上げが可能 | 指定の温度・扱い方に従い、小さな試し編みで変化を見てから本体へ |
| 「つけ置き不可」などの指定がある | 一般的な浸水手順を使わず、その糸の指定方法に従う |
| 水洗い不可、素材や商品名が不明 | 水へ入れる前に、商品ページやメーカーへ取り扱いを確認 |
| 金具・革・厚紙・接着剤などを使っている | 副資材も含めた可否を確認。可能なら取り付け前に編み地だけを仕上げる |
| 別の糸や色を組み合わせている | 各糸の取り扱いと色移りを確認。同じ組み合わせの試し編みで試す |
糸玉の帯では、素材名だけでなく、次の項目を別々に確認します。
- 水洗いの方法と水温:手洗い・機械洗いなどの表示に加え、つけ置き禁止などの文章も読む。
- 乾燥方法:平干し・陰干しなど、形を整えた後に置く場所まで確認する。
- アイロンの可否と条件:温度表示だけでなく、蒸気や当て布についての注意も読む。
たとえば、クロバーのコースター向け解説PDFには水に浸す方法が載っていますが、DROPSの糸の取り扱いではつけ置きを避けるよう案内しています。一律に「何分つける」と決めず、使った商品の指定を優先します。 レシピの指定糸を替えた場合や、複数の糸で条件が合わない場合は、長めの浸水や高い温度で代用せず、購入店・メーカーへ商品名を添えて確認してください。
ウール・コットン・アクリルでは、どこを見る?
| 素材・条件 | 判断するときの注意 |
|---|---|
| ウール・アルパカなど | 防縮加工の有無と洗濯方法を確認。「ウールだから手洗い」「防縮だからつけ置きできる」とは決めない |
| コットン・リネン | 水温・洗濯方法と色移りの注意を確認。「綿なら冷水で手洗いすればよい」と一律に置き換えない |
| アクリルなどの化学繊維 | 水洗いとアイロン・スチームの可否を別に確認。水通しの変化が小さくても、確認せず熱を加えない |
| 混紡糸・複数の糸の引きそろえ | 混紡商品の表示、または使用した各糸の条件を確認。含まれる素材名だけから温度を決めない |
DROPSは、未加工のウールと防縮加工したウールで扱いを分け、綿・リネンでもラベルに沿った洗濯温度を案内しています。これは同社商品の案内であり、他社の糸へ水温や洗濯コースをそのまま当てはめるための表ではありません。帯をなくした場合は、商品名からメーカーの商品ページを探しましょう。
スチームアイロンを使う場合
スチーム仕上げが使えると確認できたら、使用糸・作品レシピ・アイロンの説明書の条件が合うかを確認します。当て布を使えば、アイロン禁止の糸にも使えるわけではありません。
DMCのスチーム手順では、当て布の上からアイロン面を浮かせ、押さえない方法を示しています。編み地への接触や圧力で目がつぶれるおそれがあるため、「アイロンをかける」という言葉だけで普段の衣類と同じように押し当てないでください。距離・温度・当てる時間は、使う糸と道具に合う指示に従います。
編み方にも注意が必要です。DROPSの未加工ウールなどの取り扱いには、ケーブルなどの立体的な編み地へのスチーム・アイロンを避ける注意があります。素材名だけで判断せず、模様の凹凸を保てる方法かも確認しましょう。初めての方法は本体で試さず、同じ糸・編み方の試し編みで、乾いた後の寸法と風合いを比べます。
水通し・洗濯・縮絨は、何を目指すかが違う
水通しは形や寸法を整えるため、洗濯は主に汚れを落とすための工程です。水を使う点は共通していても、洗剤を使うか、どのように動かすかは糸の指定と目的で変わります。
ウールなどを意図的に縮めて風合いや密度を変える「縮絨」は、通常の水通しと目的が違います。「ふわふわにしたいから強く洗う」「大きすぎるから熱で縮める」と、自己判断で工程を変えないでください。縮絨を前提にしたレシピのない作品を、仕上げの段階で無理に縮めようとしないことが大切です。
水通しに必要なもの
- 作品が無理なく入る清潔な容器
- 糸の指定温度に合わせた水
- 水気を取る清潔なタオル
- 風通しのよい平干しスペース
- 定規またはメジャー
- レシピで指定されていれば、ブロッキング用マットとさびにくいピン
洗剤を使うか、すすぎが必要かも、糸と使用する洗剤の指定で決めます。仕上げ用の水通しと、汚れを落とす洗濯は目的が異なるため、自己判断で洗剤を足さず確認してください。
基本の水通しのやり方
以下は、手で水を含ませて整える方法が使えると確認できた編み地の手順です。メーカーが別の方法を指定する糸には、そのまま当てはめません。
1.乾いた状態の寸法を測る
引っ張らずに平らに置き、幅と高さを測ってメモします。編み図に仕上がり寸法があれば、一緒に確認します。初めて使う糸なら、先に小さな試し編みで同じ処理を行い、完全に乾いた後の寸法と風合いを比べます。
編み目の増減を間違えた部分は、水通しで直るわけではありません。形の崩れが大きい場合は、先に目数と段数を確認してください。
2.指定の方法で水を含ませる
清潔な容器に指定温度の水を用意し、作品全体を支えながら入れます。こすったり、ねじったりせず、水が行き渡るように扱います。浸す時間や洗い方の指定がある場合はそれに従い、時間を延ばせば効果が増すとは考えません。
色が出た場合の処置やすすぎ方も、使用糸の案内を確認します。濃色と淡色を組み合わせる作品は、本体を入れる前に同じ配色の試し編みで確認しておきましょう。
3.編み地を支えて取り出し、水気を取る
水を含むと編み地は重くなります。端だけを持って持ち上げず、底から支えて取り出します。タオルで挟み、上からそっと押して水分を移します。編み地をねじって絞らないようにします。
タオルがびしょ濡れになったら乾いたものへ替えます。ここは水分を取る工程です。濡れたタオルに包んだまま放置せず、次の平干しへ進みます。
4.寸法を確かめて平干しする
平干しネットなど、形を保てて風が通る場所に置きます。編み図の寸法や処理前の記録と照合し、角や縁を整えます。寸法に届かせようと強く引っ張らないでください。ピンで固定する場合も、レシピが示す範囲で形を整えます。
吊り下げると自重で伸びることがあるので、全体を支えて乾かします。乾燥場所は糸の表示に従い、直射日光を避ける指定があれば日陰に置きます。
5.完全に乾いてから測り直す
表面だけでなく、厚みのある部分まで乾いたことを確かめます。固定用のピンを外し、自然に置いた状態で幅と高さを再び測ります。処理前後の寸法、使用した方法、風合いの変化を記録すると、同じ糸で次の作品を作るときに参考になります。
乾く時間は作品の厚み、素材、室温、湿度で変わります。時間だけで終了を決めず、触って湿りが残っていないか確かめましょう。
作品の形に合わせて整える場所を決める
セーター・ベスト・マフラー
ウェアは身幅だけでなく、着丈、裾、袖や襟ぐりなど、形を保ちたい場所を先に測ります。濡れた肩だけを持って運んだり、襟を引っ張って左右を合わせたりせず、編み地全体を支えて置きます。袖や前後の身頃が重なったままなら、乾燥途中に水分が残っていないか確かめましょう。
マフラーやストールは端だけを引いて長さを出すと、中央の幅との釣り合いが変わることがあります。必要な幅を保ちながら全体を置き直します。ゴム編みを大きく広げたまま固定するなど、模様が本来持つ伸縮を無視した整形は避けましょう。
レース・モチーフ・組み立て前のパーツ
レースは繰り返し模様や角の位置をそろえ、指定された仕上げ寸法を目安に形を整えます。ピンを使える作品では、防錆仕様の道具を選び、強く張る一か所を作らず、必要な箇所を均等に支えます。模様が開くまで際限なく引っ張るのではなく、試し編みの変化とレシピの寸法を合わせて見てください。
複数のモチーフをつなぐ場合は、組み立て前に寸法をそろえる方法と、全体をつないでから仕上げる方法があります。どちらを使うかはレシピに従い、同じ作品では同じ工程と条件で扱います。水通しだけで異なる目数のパーツを同じ形に直そうとせず、目数の違いは編み直してから整えましょう。
綿・金具・接着部分のある小物
あみぐるみやバッグは、糸だけを見て水に入れられると判断できません。中綿、裏地、革、金具、接着した目などを含めて確認します。中まで乾く条件が用意できない場合や、水に弱い部品がある場合は、完成後に丸ごと浸す手順を採らず、組み立て前のパーツで仕上げる方法が指定されているかを確認してください。
処理前後を比べる記録表
同じ位置を測らないと、寸法差が水通しによるものか判断しにくくなります。左右の端、中央など測る位置を決め、乾いた状態で比べます。
| 記録項目 | 処理前 | 完全に乾燥した後 |
|---|---|---|
| 幅 | 測った位置とcm | 同じ位置のcm |
| 高さ・長さ | 測った位置とcm | 同じ位置のcm |
| 形 | 角、縁、反りの様子 | 自然に置いた状態で比較 |
| 風合い | 厚み、硬さ、毛羽の状態 | 気づいた変化を記入 |
表の外に、糸の商品名・色、針、編み方、使った水温や洗剤、乾かし方も残します。数字だけでは、次回に同じ条件を確認できません。
例として10cmの幅が乾燥後11cmになった場合、幅は10%増えています。これは計算例で、特定の糸の伸縮率ではありません。幅の変化率をそのまま高さや、別の編み方の作品へ当てはめないでください。サイズの重要な作品では、本番と同じ糸・針・編み方の試し編みを同じ方法で仕上げ、その後のゲージで確認します。
よくある失敗と確認する場所
| 困っていること | 確認すること |
|---|---|
| サイズが大きく変わった | 使用糸・水温・扱い方の指定、濡れたまま引っ張ったり吊ったりしていないか |
| 角がゆがむ | 元の目数と段数、平干し時の幅・高さ・対角線 |
| 糸がつぶれた、風合いが変わった | 熱や圧力をかけていないか。元に戻そうと再加熱せず、メーカーの案内を確認 |
| 毛羽立ちが気になる | 元の糸の風合いと、こすったり揉んだりした箇所を確認。水通しで毛羽がなくなると考え、処理を繰り返さない |
| なかなか乾かない | タオルドライで余分な水を取ったか、風が通る場所で全体を支えているか |
| 次回の仕上げ方を忘れた | 商品名、処理前後の寸法、使った方法を一緒に残す |
よくある質問
すべての作品に必須ではありません。形や模様を整えたい場合でも、使用した糸の取り扱いとレシピを確認し、適した方法を選びます。
使用糸の指定水温に従います。「湯通し」という名前だけで温度を上げたり、熱湯へ入れたりしないでください。洗いとすすぎの温度についてもメーカーの指示を確認し、まず試し編みで乾燥後の変化を見ます。
商品の取り扱い表示によります。水洗いとアイロン・スチームの可否を別に確認し、可能な方法だけを試し編みで試してください。水通しで期待した形にならなくても、温度を上げたりアイロンを押し当てたりして変形させないでください。
作品によっては、ピンを使わず平干しネットなど通気性のある平らな面で整えられます。タオルは水切りに使い、乾燥面は使用糸の指定に従います。ピンが必要な場合は、さびにくいものを選んでください。
すべての糸に共通する時間はありません。先につけ置きができるかを確認し、可能な場合だけ指定の時間・方法で扱います。長くつければよく整うわけではなく、つけ置き不可の糸には浸して待つ手順を使いません。
完全には戻らないこともあります。ブロッキングは少しずつ形を整えるのが基本です。最初から強く引っ張らず、寸法を測りながら進めると失敗しにくくなります。
贈る・使い始める前に残しておく情報
仕上げが終わったら、使った水温、洗剤の有無、乾かした方法と乾燥後の寸法を残します。一度水通しに成功したからといって、その後どの洗い方でもよいわけではありません。日常の手入れも糸と作品の取り扱いに従います。
プレゼントや販売用なら、素材名と洗い方を一緒に伝えます。「手洗い」の一言だけでなく、使用糸の表示に沿って乾燥方法なども示すと、受け取った人が扱いやすくなります。包む前には厚い部分や重なりも乾いているかを確かめ、湿ったまま袋へ入れないようにしましょう。
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上の表を紙に残すほか、amimoのカウンターメモへ糸名・処理方法・処理前後の寸法を書けます。「軽く水通しした」だけでなく、実際に何をしたかを残すと、次に同じ糸で編むときの判断材料になります。
amimo編集部より
この記事は、編み物を始める人が次の一手を決めやすくなるように、作品管理・段数管理アプリを運営する視点から、道具選び、手順、つまずきやすい点を整理しています。
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道具選び、キット、100均、糸のつなぎ方、水通し、編み機までを扱います。
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